全国ふりかけ協会は、1994(平成6)年10月の総会において、㈱フタバ「御飯の友」をふりかけの元祖と認める決定をしました。
しかし、この決定は、当社にとって納得ができないものであり、長らく異議申立てを行ってまいりましたが、このたびようやく総会において決議取消し(取下げ)の決定が全会一致でなされました。
1901(明治34)年に田中商店(現・田中食品株式会社)を創業した田中保太郎は、大正時代初期に海軍の要請に応えて「ふりかけ食」を開発しました。好評を博したため、1916(大正5)年には、これを「旅行の友」として一般向けに発売。現在に至るまで、当社の看板商品となっています。
当社が、ふりかけの元祖として、古くからふりかけ食品の普及に努めていたことは、以下の事実からも明らかです。
このような客観的な事実があるにもかかわらず、当社は、全国ふりかけ協会において元祖認定を行う動きがあったことを知らされていませんでした。
協会によるふりかけ食品の起源に関する調査は、当社に対しては行われず、調査結果をまとめた資料(全国ふりかけ協会監修「ふりかけ食品の起源」)には、「旅行の友」の発売が昭和12年(正しくは大正5年)と誤って記載されていたことが後日判明しました。
この背景には、全国ふりかけ協会において影響力を有していた一部企業による間違った判断があったのではないかと推測されます。
今回、公明正大な会員の正しい判断により、新たな一歩を踏み出すことができたものと考えます。
全国ふりかけ協会における「御飯の友」の認定は取り消され、協会において、改めて公正な調査が行われることになりました。
当社としては、「ふりかけ食」の元祖として、お客様によい商品を提供することに専念してまいりました。
一方で、ふりかけ食品についての正しい歴史を調査し、これを後世に残し、日本のふりかけ文化のさらなる発展に寄与することも、ふりかけの元祖としての当社の使命であると考えております。
当社の来歴に関する資料のかなりの部分が1945(昭和20)年8月6日の原爆により焼失していますが、当社としては客観的な資料を協会に提供し、日本の重要な食文化であるふりかけの商品史に寄与してまいります。